占い師はね、この村では狼様の敵だから。
ルイ、もっと物騒な時ならみんなに……狼様への捧げ物にされちゃうよ？

でも妖魔を狩れる人なら、すごく歓迎されると思う。

男なんだ、ルイ。
教会はこっちにあるよ。一緒に来る？

教会？

奴らが監視してるってのかい…。

面白いね。いってみようか。

監視っていうか、普通に泊まるとこに困ってそう。

あれが神父のメルセデスさん、この人はルイさん。
妖魔ハンターなんだって。
空き部屋に案内しておくね。

狼様への捧げ者。
ハムスターの野望。
人間の逆襲。

そんな噂話。
そして、その噂話につられて集まる人々。

もしかすると、今はまだそんな事は全然起きていないのに、噂があったから、本当にそうなるかもしれないね。

[ヒルダから、という袋を受け取ると中身の感触にきょとり]

おや、これは……。
ヒルダ、もしかして気を遣ってくれたのでしょうか。

ああ、っと、お客さんですか。
はい、お肉屋さん……？
おかしいですね、このところ注文は……って、ツィンカさんが？
そうだったのですか。　皆さん、何てお優しいんでしょう。

これは腕によりをかけて夕食を作らなければ、ふふ。

[アナが新たに旅人を連れて来たのを見て]

こんばんは、妖魔ハンターのルイさん、ですか。
ご案内してくれてありがとう、アナ。
空き部屋は自由に寝泊りして下さって構いませんから。

ここは教会といっても、外の教会とは違いますから。
崇めているのは神の子でも聖母でもなく、狼王ですけれど。

[そう言って首にかけた逆十字を手に取る]

貴方が神父さんか。
数日屋根をお借りしたい。
ありがとう。

ところで神父さんは狼王様はみたことがあるのかな？

ただいま。
……ん？

［奥へ進みかけた足を止め、周囲を見回す］

んんーー？
なんだか、今朝までとは違った空気を感じる…

なーんてね。
いやだわ、疲れてんのかしら。

あ、ツィンカおかえり。

狼王を見た事、ですか。　残念ながら、ありませんねぇ。
何と言っても、古い古い王様ですから。

系譜を辿ればご子孫にも辿り着けるのでしょうけれど、
人間達のおかげでほうぼう散り散りになってしまいましたから。

旅のお方なら、もしかしたら見つけられるかもしれませんね。

ああ、アナちゃん、ただいま〜。

昨日、相談したお供え物。
よさげなのを見つけたから馬肉を買ってみたんだけど、神父さん、喜んでくれたかしらね。

ツィンカさん、お帰りなさい。
丁度頂いたお肉を調理しようとしていたところですよ。
ありがとうございます。
おかげさまで今日はご馳走ができそうです。

[そう言って、にっこりと笑った]

腕によりをかけますから。
今夜は期待してて下さい。

メルさん、手伝うよ。
ツィンカは座っててね。
あのね、ルイさんっていう人がきたよ。
妖魔ハンターなんだって。

お、神父さんいたわね。やっほー。
ここんとこずっとお世話になってるし、少しはお返ししないとってね。
喜んで頂けたようで、何よりだわ。

ふふふっ。自信があるようね？
お手並み拝見させてもらうよ。

洋間ハンター……
古今東西、様々な建物を巡り、至高の洋間を探し求めているという、伝説の………

うん。ノリで広げるにはちょい難しいわ、このお題。
旅の人が来たのね。
ふぅん、ここまでやってくる人、あたし以外にもいたかぁ。

洋間ハンター……。それはあの伝説の…。

なんか妖魔ってハムスター人間のことを指すこともあるみたい。もしそうなら頼もしいかもしれないね。