こんな遅い時間に私の大事な時計を見てくれてありがとう、ヨハン。
話を聞けて安心したわ。

私は休ませて貰うわ。村長さんが来たら話をしなくちゃ。

お休みなさい。

改めてよろしく、ツィンカ。
そういえばもう遅い時間だね。

ぼくもちょっとパン屋に戻らないと。
おやすみ。よい夢を。

しかし眠いな…寝てていいか？

こんばんは。
村長からの手紙で集会場に来るようにとだけあったのですが、
何かあったのでしょうか？

あ、こんばんは神父さん。
時間泥棒が村にいるらしいんだけど。

神父さんの周りでは、変な事起こってない？

と、焼きたてパンを持ってきた！
おいしいよ、焼きたては。

ひつじ…。
枕にしたら気持ちよさそうだけど、実際枕にしたら暴れそうだなあ。

でも今のところはおとなしい…飼い主だから？

変なこと、ですか・・・
教会は日々あまり変化がありませんからね。
特にこれと言って・・・
そういえば、昨日一昨日とシスターが猫を拾ってきていました。
これがまたよく似た猫なんですよ。兄弟猫なんでしょうかね。

ああ、パンですか。
ありがたいですね。いただきます。
焼きたてはおいしいですよね。

羊枕は良く眠れそうですね（笑

…ねこ。
違うねこかなあ…？

目印に、しっぽへリボン結ぶのはどうだろう。
似ているだけのねこなら、それで見分け付くよね。

まいどありっ。

ねこ好きなんだけどなあ。
流石にパン屋でねこ飼うのは衛生上問題が…。
で、どんなねこ？

しっぽにリボンですか。いいアイデアですね。
まあ、見分けがつかなくてもあまり困りはしないのですが。
教会に戻ったら、シスターに言ってみましょう。

2匹とも雪のように真っ白な猫なんですよ。
かわいいですよ？

食べ物扱う商いをしていると動物を飼うのは難しいですよねぇ・・・

真っ白かあ。
白いねこ自体は珍しくないし、異変かどうかわからないなあ。

特徴ある模様があったら面白かったかも…。いや、なんでも。

ねこいいなあ。
雑貨屋とかなら看板ねことか出来ただろうなあ。

いや、転職する気はさらさらないけど。

[懐からところどころメッキの剥げた年季の入った懐中時計を取り出し]

おっと、もうこんな時間ですか。
村長もいないようですし、一度教会に帰りますかね。

[ぱちんと時計を閉じると、ヨハンに一礼して]

それでは、今日は失礼します。
また明日にでも。

村長が来たら、知らせに行くよ。
それじゃまた、神父さん。

しかし、また常連客さんに同じこと聞かれたなあ。
日替わりパンの順番を忘れるはずないのになあ…。ボケる歳でもないだろうし。