Geschichte von Werwolf 《SchwarzWeiss》 

8 40日戦争 〜くれなゐの大地〜


(3688)

売れない画家 イフェイオン

2007/07/22(日) 23:51:27


…彼女は静かに口を開く。
「以前…少しお話しましたっけ?僕は…僕のせいで大事な人を喪ったって…」
二人は、手首の傷に視線を落としていた。
「あの時、僕は自分を呪いました。なぜ、自分だけ生きているのか…と」
暖炉の火が、ぱちっと爆ぜる。
「そして、世界中のあらゆるものを怨んで…それから何もかもが、もうどうでもよくなって…誰も僕を必要としてくれないのなら、自分で壊してしてしまおうって…」
マウロはイフェイオンの手首をじっと見つめ、指で傷痕をなぞった。
「この傷の数だけ死のうとしたんだろ?」
彼女は無言で頷く。
「…あのな、これだけ死のうとして死ななかったのに人狼如きであっさり死ぬと思うか?」