(-1554:独白)おくさま修行中 ノエル |
2007/07/22(日) 09:35:07 |
―― 傍らのテーブルで済んだ音色を奏でるオルゴール。
フレイの長くしなやかな指が私の指のリングを繊細な動きで付け替える。
例え死が二人を分かつとも、共に魂が朽ち果てるまで・・・。
そう・・・だね、フレイ。 でも・・・朽ちるまでは駄目・・・輪廻の輪から外れるから・・・。
目の前が湖に飲まれたように揺らぎだし、頬を熱い滴が辿った。
喉が詰まって、絞り出すように頷くのが精一杯だった。
唇にフレイの熱い感触を感じた・・・その瞬間に彼の気配が薄くなる。
・・・また・・・会えるよね。
私も・・・あなたのために用意してたものがあるの、だから。
胸に暖かい何かと同時に、締め付けられるような感覚がわき起こってくる。
・・・これで最後・・・なの・・・本当に。
彼の去っていった方角を見遣り、立ちつくすことしかできなかった。