(86)テニス部員 ユッキー |
2007/06/06(水) 13:22:17 |
それは3月も終わりの暖かな夜。
今月も、秘密の特訓が行われようとしていた。
テニスの妖精くん(= ゜ω゜)は一ヶ月に一度僕の前に現れ、テニスの特訓をしてくれる。
僕が部活動をさぼりつつもレギュラーでいられるのは彼のお陰だ。
ひとりだと淋しいので、よく寝てるっぽい【根無し草ワンダー】に練習相手になってもらう事にした。
(= ゜ω゜)<ウス
妖精くんが催眠術をかけると、彼女の潜在能力が最大まで引き出される。
根「その打球、消えるよ」
庭「!?」
打球が見えない。その刹那、僕の後ろを、球が跳ねていた。
妖精くんの解説によると、「百腕巨人(ヘカトンケイル)の門番。ガットの上を滑らせボールに対し強制的に超回転を与え――そして一瞬のうちに手首を返しラケットの反対側の面を使い更に回転を倍増させた」らしい。なるほど!
良い試合だった。
僕は意識の無いワンダーと、【人間どうし】固い握手を交わしたのだった。
【根無し草ワンダーは紛れもなく人間だ】