扉をくぐり抜け、最初の角を曲がって路地裏へと滑り込む。皆の前では賢明に笑顔を作っていたが、疲労感で躰全体が鉛のようになっている。壁に肩を預け、あらく息をつく。……だめ、帰らなきゃ。そう思うが、そのまま意識が失われるのを阻む方法はなかった。