[ドアの音の開く音を聞き、ふと目をやればそこに神父を発見する]

……お帰り、か？　いつもご苦労様だ。
それと……どうやら話の途中で眠っていたようで、申し訳なかった。　気分を害してはいないだろうか。

[申し訳なさそうに目を伏せる。元々表情が見えないほどに深く被った帽子がさらに目深にかぶられているように思えた]

[少女を抱えながら、にっこり]

はい、ただいまです。
あ、昨日ですか？　大丈夫ですよ。
僕もよくやりますし。
寝ているのに気づけたら毛布をかけるなり部屋に連れていくなりできたのですが…。

[きらきら光ってる胸元に「時計かな…？」とうっすら考え]

[神父の言葉に少し緊張がとけたのだろうか、めったに口角の上がらぬ唇が、少し笑っているように見えた]

いや、連れて行ってもらうには及ばない。
そこまで迷惑をかけてしまうのも申し訳ないし、何より悪い環境の中で睡眠を取ることには慣れている。だから気にしなくていい。

そういえば、うっすらと記憶にあるのだが…コレについて聞いていただろうか？
[首から提げた棒を二つほどつまんで神父に向けた]

ええ、そうです。そうです。
見たことないのですけど、時計ですか？
今６本光ってて……？

それを着けてると、
真っ暗な中でもアルベリヒさんはすぐ見つけられそうですね。
[軽く吹き出しながら]

[笑われて少し不思議そうにしたが、コクリと頷き]

そうだ。これは時計だ。
他のように細かい時間が分かるわけではないが、俺にはこれで十分事足りている。
どうも普段見る時計はせわしない感じがして落ち着かない。
俺が落ち着かないでいると羊達に悪い影響を与える。
…そう考えるとやはりコレが一番良かったのだと思う。

確かに、この明かりを目印に羊達が俺の所に来てくれる。
きっと目印にはぴったりだろう。
[口元に手を当てて考えている様子だったが、再び頷いた]

[羊が、羊が、と言うアルベリヒに、やはり笑って]
羊さんがお好きなんですねぇ。

あ、お時間大丈夫ですか？
僕はこれからこの子を部屋まで連れて行ってご飯食べて一眠りです。ちょっと腕がぷるぷるしてきました。

[笑いながらそう言って、何度も少女を抱えなおしているのは非力だからだろうか。軽く頭を下げ、ドロテアの案内で部屋へ向かう]

[笑うメルセデスの意図が分からないのか首をかしげて]
………羊達は好きだが。
家族のようなものだから、な。

[6本目が全部光りきったのを確認して]
そろそろ出るか……皆が待っている。

[自分が寝ている間に訪れたのだろう、少女の事も気にかかったが、少女が起きた後でも構うまいとそっと集会所を出た。
彼が向かうのは村の外に広がる平原。彼の家族達の元]

[…は寝ぼけ眼で食堂に現れた]
昨夜は疲れてしまって夕食に顔も出せなかった。

どうやら、徐々に人が集まっているようだな。とは言え
「村役場のおたより」によれば、19日までに集会場にこなければいけないのか。
まだ、予定の半分しか集まっていないらしい。
若干の不安を感じる。

おはようございます。
お食事をご用意しております。

どうかごゆるりと、おくつろぎになってください。

神父様、アナ様の御案内ありがとうございます。
とても助かりました。

それでは、失礼いたします。

あら――これは？

まあ……私などに、わざわざ――
勿体無い御言葉、真にありがとう存じます。
また後程、お礼申し上げておかなくては、です。

…ん、あれ。お洋服にうっすら何かに踏まれた跡があるような無いような？でも綺麗にブラシが掛かってわからないな。
枕元にお水とメモがあったの。

[おはようございます。
　昨夜はアナさまのご案内を神父様がしてくださいました。
　どうぞごゆるりとおくつろぎください　　　　　　　　ドロテア]

まあ。神父様いらっしゃるのね。ありがとうございます。
さすがハンバーグ教ですわ。ドロテアさんもありがとう。

[カリカリとペンで何かを書きつけている]

呼び込みをしろとの神の啓示を受けました。
がんばってみましょうか…。

[紙には時間泥棒のことや村長からの手紙の内容を記載し、折込で教会の宣伝チラシを入れてある。
　その紙束を掴むと外へ配りに**]

[ドロテアの用意した夕ご飯の隣に、皆の分の【ブルーベリータルト】を置いておいた]

いただきますー。

[ふと、集会場の扉が開き、大柄の男の影が差した]
[斧の柄に嵌め込まれた、飾り気のない鉄製の時計が、静かに時を刻む]

……すまんな、仕事に没頭していた。
神父のビラを見て、村長から集まるようにと手紙が来ていたのを、思い出したよ。遅くはなったが、遅刻はしていない……よな？

[自信なさそうに見回し、後頭部を*掻いた*]

[大柄な男の後ろから、隙間を縫うように集会所に入り込んだ]

…すまない、少し通らせてもらう。

ところで貴方も呼ばれたのか。俺はアルベリヒ、羊飼いだ。暫くの間よろしく頼む。

[そう言って軽く一礼すると食堂へ向かう。
夕食に添えられたブルーベリータルトを見つけると、興味深そうにフォークで少し*つついた*]

[食事中、横からの手にそちらを見上げれば、大きな人影に目を丸くした]

でか……大きい人ですね。
こんばんわ、村長さんに呼ばれて来たのですか？
時間は大丈夫ですよ。まだ来てない人もいるみたいですし、６人ほど。

…甘いものは平気ですか？
[タルトをつまむ姿と容貌がそぐわず思わず聞いてしまう]

あ、おかえりなさ……どうかしましたか？
甘いもの平気なら食べてくださいね。２ホール作ったので余ってるのですよ。

つつくだけじゃ駄目ですよ。

[不思議そうにタルトをフォークでつつくアルベリヒに首をかしげたあと、彼の口の中にブルーベリータルトを詰め詰め]

[目深に帽子を被った男から声が届けば、一歩動き]

……あぁ、悪い、塞いでいたか。
丁寧にありがとう、俺は、ドミニクという。見ての通り、樵を生業としているよ。毎日毎日、切り倒した筈の木が復活しているのを、訝んではいたんだが……。

神父殿も、ビラ配りお疲れさまだった。
ありがとう、危うく、村長からの召集をボイコットしてしまうところだったよ。

[眼を細め、苦笑した]