うむ。
時間泥棒の動きを抑制しつつ、誘き出しを狙っているのだ。
奴らは我々の時計と似通った物を持って此処にやってくるだろうと思っている。
そのうえ元の持ち主の時計を盗み、本人になりかわるという恐るべき技術を持つのでな。
顔なじみであっても疑わねばならぬのは、少し辛いがね。
奴らは集会場に封印された時計を狙いに、此処へ来る筈だ。
なにせ、特別な時計だからね。今までに没収された全ての時計があの奥に眠っている。

[集会場奥の大きな扉に視線を送る。]

あの中に封じられた時計を盗まれてしまえば、村は時間泥棒の手中に落ちることとなるがね。
奴らは時計コレクターでもある。
時計から時間を吸い取った後も、装飾品代わりに持ち歩いていることもあるのだとか。悪趣味な話だ。